Domaine Claude Dugat クロード デュガ「ブドウの出来がすべて」を地で行くジュヴレの真のヴィニュロンブルゴーニュ・ルージュが村名ジュヴレ・シャンベルタン、村名ジュヴレ・シャンベルタンが1級畑。ブラインドで試飲すれば、どのワインもワンランク上のアペラシオンと間違えんばかりの充実感。それほど秀逸なワインを造ってしまうのがクロード・デュガである。所有する畑は6ha余り。そのうち1.5haはブルゴーニュ・ルージュが占めるので村名以上はわずか4.5haにすぎない。クローンのせいか毎年ブドウの実はすこぶる小さい上、徹底的な選果をするため生産量はきわめて少ない。おのずと需給バランスは狂い、市場で見つけるのは従兄弟のデュガ・ピィ同様、困難を極める。とりわけ特級のグリオット・シャンベルタンとシャペル・シャンベルタンの少なさといったら、ルーミエのミュジニーやルフレーヴのモンラッシェ並み。グリオットには0.25haの面積をもつが、恵まれた年でせいぜい2樽しか造ることができず、2010年と2011年は1樽半しか出来なかった。0.14haのシャペルはさらに希少で、1樽しか出来ない上に、デュガが折半耕作している畑のため、半分を地主に渡さなければならない。ちなみにこのシャペル、地主に渡すのは収穫したブドウではなく、瓶詰めまで済んだワインだという。クロード・デュガのセラーはセリエ・デ・ディームと呼ばれ、中世に教会が村人から取り立てた年貢を納めていた場所。教会の真向かいに位置する屋敷はおもに13世紀の建築になる。クロードは1956年生まれで、その父モーリスも健在。モーリスの時代は出来上がったワインはほとんど全量、ネゴシアンに桶売りしていた。ドメーヌ元詰めはクロードが1982年頃から少しづつ始め、1993年からは全量元詰めとなっている。彼には2人の娘と1人の息子がいて、現在、長女のレティシアと長男のベルトランがブドウ栽培やワイン造りに従事。2002年にはこのふたりが主導して小さなネゴシアンビジネスも始めた。ワイン造りで特徴的なのは、今や一般的な発酵前の低温マセレーションを一切行わないこと。色調もしっかり、フレーバーも華やかなワインなのに意外である。そればかりか発酵中の温度管理もマロラクティック発酵の分析もせずにあれだけ素晴らしいワインを造ってしまうのだから、やはりただ者ではない。「ブドウの出来がすべて」と語る人は数多いけれど、クロード・デュガほどその言葉に真実味のある造り手はいない。 Domaine Claude Dugat Bourgogne Rouge赤ワイン 750ml[AOC]ブルゴーニュ[評 価]87-88点Vibrant and mouthwatering, the Dugat familys 2021 Bourgogne offers up aromas of sweet red berries, petals and spiced plums, followed by a medium-bodied, supple palate built around a tangy spine of acidity.The Wine Advocate (Feb 01, 2023)活気にあふれ、食欲をそそるデュガ家の 2021 年ブルゴーニュは、甘い赤いベリー、花びら、スパイスの効いたプラムの香りを放ち、その後にピリッとした酸味を中心に構築されたミディアムボディでしなやかな味わいが続きます。(直訳)[輸入元コメント]ジュヴレ・シャンベルタンとモレ・サン・ドニの間にある、ジュヌヴリエールという区画から生まれるブルゴーニュ・ルージュ。しかし、このワインを飲んで単なるブルゴーニュと思う人がいるだろうか。豊かな果実味、何層にもレイヤーを重ねる複雑さ、さらに深みのある余韻。ジェネリックなブルゴーニュの枠を完全に抜け出し、村名ジュヴレ並みの風格がある。